「史上最強のエルニーニョ」というニュースを見て、
何がそんなにすごいのか気になりますよね。
結論から言うと、
世界気象機関(WMO)は10月8日、
今年10〜12月の監視海域の海面水温が
平年を約3.7度上回り、観測史上最高になる見通しと発表しました。
この記事では、WMOと気象庁の発表をもとに、
数字と今後の見通しを整理します。
この記事で分かること
- WMOが発表したエルニーニョの見通しと数字
- 過去の最高値(約2.6度)との比較
- ピークの時期と、継続する期間
- 気象庁の監視速報で分かっている現状
- なぜここまで強まったのかという編集部の考察(予想)
エルニーニョは観測史上最強の水準へ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表 | 世界気象機関(WMO)・10月8日 |
| 今年10〜12月の海面水温 | 平年を約3.7度上回り、観測史上最高となる見通し |
| これまでの最高 | 2015年11月〜16年1月の約2.6度 |
| ピーク | 今年12月ごろ |
| 継続 | 来年2月まで続く確率はほぼ100% |
エルニーニョ現象とは、
ペルー沖から西の海域で
海面水温が高い状態が続く現象です。
世界の広い範囲で高温になり、
干ばつや洪水のリスクが高まるおそれがある、
とWMOは警戒を呼びかけています。
過去の最高値との差はどれくらい?
共同通信の記事では、
これまでの最高は2015年11月〜16年1月の約2.6度とされています。
今回の見通しは約3.7度で、
差は1度以上あります。
海面水温の1度は小さく聞こえますが、
広大な海域全体の平均としては
非常に大きな差です。
数字の出どころ:3.7度や2.6度は、WMOの発表を伝えた共同通信の報道にもとづきます。気象庁の指標とは基準が異なる場合があります。
気象庁の監視速報で分かっている現状
日本の気象庁が9月9日に発表した
エルニーニョ監視速報(日本気象協会 tenki.jpの解説)では、
次のような現状が示されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現状 | 2026年春からエルニーニョ現象が続いているとみられる |
| 8月の監視海域の海面水温 | 基準値との差が+3.4℃ |
| 8月としての順位 | 1949年以降で最大。これまでは1997年8月の+3.0℃ |
| 冬の見通し | 冬にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(確率100%) |
| 最盛期の予測 | 1997年12月の+3.6℃に匹敵する見込み |
同じ記事では、
中部太平洋赤道域の貿易風が
平年よりかなり弱まっていることも示されています。
大気と海洋の状態が、エルニーニョの特徴を
春以降しだいに強めているという説明です。
エルニーニョが起きる仕組み
気象庁の説明では、仕組みは次のとおりです。
- 通常は貿易風によって暖かい海水が西側に寄せられ、南米沖では冷たい海水がわき上がっている
- 貿易風が弱まると、暖かい海水が東へ広がり、南米沖の海面水温が平年より高くなる
- この状態が1年程度続く現象をエルニーニョ現象と呼ぶ
名前はスペイン語に由来し、
クリスマスのころに海面水温が高くなることから
名づけられたと説明されています。
1997年や2015年の事例と何が違うのか
記事に出てくる過去の数字を、年ごとに並べます。
| 年 | 数字 | 出どころ |
|---|---|---|
| 1997年8月 | +3.0℃(8月の過去最大) | 気象庁の監視速報 |
| 1997年12月 | +3.6℃(過去の最盛期で最大) | 気象庁の監視速報 |
| 2015年11月〜16年1月 | 約2.6度(WMOが挙げた過去最高) | 共同通信が伝えたWMOの発表 |
| 2026年8月 | +3.4℃(8月として1949年以降で最大) | 気象庁の監視速報 |
| 2026年10〜12月(見通し) | 約3.7度(観測史上最高の見通し) | 共同通信が伝えたWMOの発表 |
表のとおり、気象庁の数字とWMOの数字は
基準や対象が異なるため、そのまま並べて
大小を比べることはできません。
ただし、どちらの発表も
「過去の記録を上回る水準」を示している点は共通しています。
ニュースの数字を読むときのコツ
- 「平年より何度高いか」は、基準値の取り方で変わる
- 発表した機関(WMO・気象庁)をまず確認する
- 「見通し」と「観測された値」は別のものとして読む
- 「通称」(ゴジラ・エルニーニョなど)と正式名称を区別する
たとえば今回の3.7度は、WMOが示した「見通し」です。
実際の値は、今後の観測で確定していきます。
見通しが外れる可能性もあるため、
続報を確認する姿勢が大切です。
今後チェックしたい情報
エルニーニョ現象は、毎月の監視速報で
状況が更新されます。
気象庁のエルニーニョ監視速報のページでは、
監視海域の海面水温や今後の予測が公開されています。
冬の天候への影響は、気象庁の3か月予報や
寒候期予報で確認できます。
【考察】なぜ過去最強級まで強まっているのか
ここからは編集部の考察(予想)です。
結論として、
今回の強さは「春からの積み重ね」で
説明できるのではないでしょうか。
そう考える理由は2つあります。
1つ目は、貿易風が平年よりかなり弱まっていることです。
気象庁の監視速報では、中部太平洋の下層の東風が
大きく弱まっていると示されています。
貿易風が弱いと暖かい海水が東へ広がりやすく、
海面水温の上昇が続きやすいと考えられます。
2つ目は、8月の時点で既に過去最大だったことです。
8月の+3.4℃は、1949年以降の8月として最大でした。
通常より早い段階で記録を更新していることから、
冬のピークに向けてさらに水温が上がる余地が
あるとみられているのではないでしょうか。
もちろん、これは編集部の予想です。
気象庁やWMOの最新の発表で、見通しは
変わる可能性があります。
根拠にした報道は記事末尾にまとめています。
私たちの暮らしへの影響は?
WMOは、世界の広い範囲での高温と、
干ばつや洪水のリスクを指摘しています。
日本については、気象庁の解説で
エルニーニョ発生時は冷夏や暖冬に
なりやすいと言われていると紹介されています。
今年の冬の具体的な見通しは、
別の記事で詳しく整理しています。
よくある質問(Q&A)
Q. 「ゴジラ・エルニーニョ」とは公式な名前ですか?
報道やテレビ番組で使われる通称です。
気象庁などが定めた正式名称ではありません。
Q. ピークはいつですか?
WMOは今年12月ごろとしています。
Q. いつまで続きますか?
WMOによると、来年2月まで続く確率はほぼ100%です。
Q. 気象庁とWMOの数字が違うのはなぜですか?
海域や基準値のとり方が異なる場合があるためです。
数字を比べるときは、出どころを確認しましょう。
Q. 日本への影響はもう決まっていますか?
決まってはいません。WMOは世界の広い範囲での高温や、
干ばつ・洪水のリスクを指摘しています。
日本の冬の傾向は、気象庁の予報で確率として示されます。
まとめ
- WMOは10月8日、エルニーニョが1950年以降で最も強い水準の一つになる可能性を発表
- 今年10〜12月の海面水温は平年を約3.7度上回り、観測史上最高となる見通し
- これまでの最高は2015年11月〜16年1月の約2.6度
- ピークは12月ごろで、来年2月まで続く確率はほぼ100%
- 気象庁の監視速報でも、8月の値は1949年以降で最大だった
今後の発表も、気象庁やWMOの公式情報で
こまめに確認していきましょう。

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