山口県の日本酒がロンドンの世界的な品評会で最優秀賞を受賞したと聞いて、どんな酒蔵なのか気になっていませんか。
結論から言うと、受賞したのは下関市の長州酒造が造る「天美 純米吟醸 蛍天」で、この酒蔵はもともと廃業寸前だった老舗を引き継いだ会社です。
この記事では、受賞の内容と酒蔵の歩みを報道をもとに整理します。
この記事で分かること
- 受賞した「天美 純米吟醸 蛍天」の特徴と評価
- 受賞した品評会IWCの規模と今回のエントリー数
- 長州酒造が廃業寸前の酒蔵を引き継いだ経緯
- 蔵元の会社概要
- 編集部が予想する快挙の理由
【考察】廃業寸前の酒蔵が世界一になれた理由を予想
編集部としては、老舗の技術を引き継ぎながらも、新しい発想で商品づくりに取り組んだことが今回の受賞につながったのではないかと予想します。
そう考える理由は2つあります。
1つ目は、「蛍天」という商品が、ホタルの舞う初夏に軽やかに飲めるようアルコール度数を抑えて造られている点です。
伝統的な日本酒の造り方を守るだけでなく、季節感や飲みやすさを意識した商品設計をしていることがうかがえ、これが世界の審査員からの評価にもつながったと考えられます。
2つ目は、下関産の酒米を使うなど、地元の原料にこだわっている点です。
廃業寸前だった酒蔵を引き継ぐ際に、地域とのつながりを大切にした酒造りを目指したことが、青リンゴを思わせる華やかな香りや繊細な甘みという独自の個性につながったのではないかと予想します。
これはあくまで編集部の予想であり、実際の受賞理由は審査員のコメントや蔵元の発表でさらに詳しく分かる可能性があります。
受賞の内容
2026年9月8日、ロンドンで「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」の発表が行われ、日本酒部門の最優秀賞にあたる「チャンピオン・サケ」に、長州酒造(山口県下関市)の「天美 純米吟醸 蛍天」が選ばれました。
IWCの日本酒部門は2007年に設立され、今年で20回目を迎えました。今回は457社、1738銘柄がエントリーし、過去最多の出品数となりました。
山口県の酒蔵からの最優秀賞選出は、これが初めてとなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日・場所 | 2026年9月8日、ロンドン |
| 受賞内容 | IWC日本酒部門 最優秀賞(チャンピオン・サケ) |
| 受賞商品 | 天美 純米吟醸 蛍天 |
| 蔵元 | 長州酒造(山口県下関市) |
| 今回のエントリー数 | 457社、1738銘柄(過去最多) |
| 山口県からの選出 | 今回が初めて |
「蛍天」の特徴
受賞した「蛍天」は、下関産の酒米を使用した純米吟醸酒です。
青リンゴのような華やかな香りと、繊細な甘みが特徴とされ、審査員からは「爽やかな酸味があり、何層にも重なる豊かな風味が口の中に広がる」と評価されました。
商品名の「蛍天」には、ホタルが舞う初夏に軽やかに飲んでもらえるよう、アルコール度数を抑えて造られているという意味が込められています。
季節感を意識した造りと、世界的な品評会での評価が両立しているところが、この商品の魅力といえそうです。
廃業寸前の酒蔵を引き継いだ長州酒造
長州酒造は、廃業寸前だった創業150年の酒蔵から事業を引き継いだ会社です。
会社の代表取締役社長は岡本晋氏が務めています。
会社としての設立は1952年で、酒蔵としての創業は1871年にさかのぼります。
主力ブランドには、今回受賞した「天美」のほか、「長門菊川」があります。
長州酒造の前身は「児玉酒造」という蔵元でした。
長州産業がチョウザメの養殖に必要な地下水を探していた際、児玉酒造が持つ良質な水源に着目したことがきっかけとなり、蔵元の児玉剛氏から廃業の予定を聞いた岡本晋氏が、地域の酒造文化を残す意義を重視して事業の承継を決断しました。
2017年夏に承継の意思決定がなされ、2018年春に手続きが完了、社名は「長州酒造」に変わりました。
老朽化していた蔵は解体され、新しい蔵がゼロから建設されています。
老舗の酒蔵が廃業の危機を迎えたあと、事業を引き継いで再建を図るケースは全国的にも珍しくありませんが、新蔵の稼働から数年というスケジュール感で世界的な品評会の最高賞を受賞するのは、大きな快挙といえます。
酒造りを担う藤岡美樹杜氏
長州酒造で酒造りの指揮を執っているのは、藤岡美樹杜氏です。
東京農業大学を卒業後、奈良県吉野町の北岡本店(「八咫烏」の蔵元)で酒造りを学び、その後は香川県観音寺市の川鶴酒造で蔵人から杜氏へと昇格した経歴を持っています。
長州酒造への就任が持ち上がった2018年夏の時点では、三重県鈴鹿市の清水清三郎商店で酒造りに携わっていました。
当初は異業種企業が酒蔵経営に参入するリスクを懸念して打診を断ったものの、岡本社長の「不退転の決意」という姿勢と、品質重視・長期的視点の経営方針に共感し、2020年春に杜氏就任を決めたということです。
目指す酒質は「甘味と酸味のバランスのよい、キレのいいお酒。香りは控えめで味わいに寄り添う」というもので、蔵人との合言葉は「微差は大差」だといいます。
新しい蔵ならではの匂いの管理にも特に力を入れてきたとされ、細部へのこだわりが今回の受賞につながった可能性がありそうです。
歴代のチャンピオン・サケ受賞蔵
IWCのチャンピオン・サケは、毎年全国各地の酒蔵から選ばれています。
近年では、2024年に兵庫県の都美人酒造、2025年に山梨県の山梨銘醸が受賞するなど、地域も蔵の規模もさまざまなところから最高賞が生まれてきました。
山口県の酒蔵が選ばれるのは今回が初めてで、廃業寸前だった老舗を引き継いで再建した蔵が、わずかな期間で全国的な栄誉を手にした点でも、話題性の大きい受賞といえます。
よくある質問
Q. 「天美 純米吟醸 蛍天」はどこで買えますか?
A. 本記事の公開時点で、価格や販売店舗、通販の可否について確認できる公式情報はありません。長州酒造の公式サイトでの確認をおすすめします。
Q. IWCとはどんな品評会ですか?
A. インターナショナル・ワイン・チャレンジの略で、ロンドンで開催される世界的な品評会です。ワインだけでなく日本酒部門も設けられており、2007年の設立から数えて今年で20回目を迎えました。
Q. 長州酒造の他の商品にはどんなものがありますか?
A. 「天美」のほか、「長門菊川」というブランドも展開しています。それぞれの商品ラインナップの詳細は、公式サイトで確認できます。
まとめ
- 長州酒造(山口県下関市)の「天美 純米吟醸 蛍天」がIWC日本酒部門で最優秀賞を受賞
- 今年のIWCは過去最多457社・1738銘柄がエントリー
- 山口県からの最優秀賞選出は今回が初めて
- 「蛍天」は下関産の酒米使用、青リンゴのような香りと繊細な甘みが特徴
- 長州酒造は廃業寸前だった創業150年の酒蔵を引き継いだ会社
廃業の危機を乗り越えた酒蔵が、新しい杜氏のもとで世界一に輝いたというニュースは、地元・山口県だけでなく全国の日本酒ファンにも注目されそうです。
価格や購入方法、今後の展開など続報が入り次第、この記事も随時更新していきます。

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